Windows Mobileにおける慣性リストビューの試み 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　作成 2009/11/24 LIUNQA 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　作成 2009/12/16 LIUNQA １．はじめに 　最近はフリック操作が一般的になってきました。Windows Mobile(今後はWindows Phone、 以後WM) 6.5でも標準でサポートされるようになり、以前のバージョンのOS用に作成した プログラムでもList-Viewコントロールなどはフリック操作をすると慣性スクロールしま す。 　しかし、これはあくまでWM 6.5からで、それ以前のバージョンでは対応していません。 また、WM 6.5であってもすべてのコントロールが慣性スクロールに対応しているか不明で す。 　そこで、役に立つかわかりませんが慣性スクロールするList-View(というより List Boxesに近いですが)のウィンドウクラスを作成してみました。 ２．ファイル構成 　ファイルは2種類あります。ソースおよび実行ファイルを含む圧縮ファイル(以下の （１）)。もうひとつはデバイスへ実行ファイルをインストールして動作を見るファイル (以下の（２）)です。（２）は実行ファイルのみでソースは含まれませんので、ソースが 必要な方は（１）のファイルを参照ください。 （１）ソースおよび実行ファイル 　圧縮ファイルの内容を以下に示します。詳細は別の機会にいたします。 　ILPx***a.zip 　　+--src ・・・　ソースのフォルダ 　　| +--InertListView.h ・・・　慣性list-viewの本体 　　| +--ILVItemList.h ・・・　慣性list-viewから利用する項目リスト 　　| +--TimeDlg.h ・・・　時刻設定ダイアログの例 　　| +--tryflick.sln ・・・　 　　| +--tryflick.vcproj ・・・　 　　| | 　　| +--ilview ・・・　例1(基本機能)のソース 　　| | +--ilview.cpp ・・・　 　　| | +--ilview.h ・・・　 　　| | +--ilview.ico ・・・　 　　| | +--ilview.vcproj ・・・　 　　| | +--ilviewppc.rc ・・・　 　　| | +--ilviewppc.rc2 ・・・　 　　| | +--resourceppc.h ・・・　 　　| | +--stdafx.cpp ・・・　 　　| | +--stdafx.h ・・・　 　　| | 　　| +--iledit ・・・　例2(編集機能あり)のソース 　　| +--AboutDlg.h ・・・　 　　| +--EditDlg.h ・・・　 　　| +--iledit.cpp ・・・　 　　| +--iledit.h ・・・　 　　| +--iledit.ico ・・・　 　　| +--iledit.vcproj ・・・　 　　| +--ileditppc.rc ・・・　 　　| +--ileditppc.rc2 ・・・　 　　| +--resourceppc.h ・・・　 　　| +--stdafx.cpp ・・・　 　　| +--stdafx.h ・・・　 　　| +--UserItemList.h ・・・　拡張した項目リストのソース 　　| 　　+--bin ・・・　実行ファイルのフォルダ 　　| +--ppc2003 ・・・　PPC2003版 　　| | +--iledit.exe ・・・　例1の実行ファイル 　　| | +--ilview.exe ・・・　例2の実行ファイル 　　| | 　　| +--wm5 ・・・　Windows Mobile 5.0版 　　| | +--iledit.exe ・・・　例1の実行ファイル 　　| | +--ilview.exe ・・・　例2の実行ファイル 　　| | 　　| +--wm6 ・・・　Windows Mobile 6.0版 　　| +--iledit.exe ・・・　例1の実行ファイル 　　| +--ilview.exe ・・・　例2の実行ファイル 　　| 　　+--ILV Reference.txt ・・・　ILVのリファレンス(関数仕様) 　　+--readme.txt ・・・　このドキュメント （２）実行ファイルのみ 　こちらはデバイスで動作を見るためのファイルです。ILP****a.cabファイルをデバイス へコピーしてインストールします。ソースは含みません。 　アプリケーションインストールフォルダ 　(デフォルトは"\Program Files\tryflick") 　　iledit.exe ・・・　例1の実行ファイル 　　ilview.exe ・・・　例2の実行ファイル 　　ILV Reference.txt ・・・　仕様書 　　readme.txt ・・・　このテキストファイル ３．仕様 　慣性リストビューの本体は２．のInertListView.hとILVItemList.hです。通常このセッ トで使用します。InertListView.hは描画部分、ILVItemList.hは項目リスト(データ管理) を担っています。 　詳細なドキュメントに関しては２．にある ILV Reference.txt を参照ください。 　なお、圧縮ファイルの中に使用例を2つ入れましたので、こちらも参考にしてください。 例1) 　src\ilviewが例1で基本機能のみを利用した例です。タップすると、その項目の高さが 切り替わります。メニューのループによりリストがループするかを指定します。 例2) 　src\ileditが編集機能および時刻指定の機能を持たせた例です。タップ&ホールドで個々 の項目の編集を行うことができます。タップだけだと例1同様に項目の高さの切り替えの みです。 　項目の編集中に時刻をタップすると時刻ダイアログを表示します。 　なお、個々の項目の編集するダイアログに関してはアプリケーション側で実装していま す。 ４．注意事項 （１）本ソースですが、まだまだ動作、機能ともに不十分な状態です。某携帯電話/ミュー 　　ジックプレーヤーと比べるべくもありませんが、まずは現時点の内容で公開しておき 　　ます。 （２）まだ、開発途上であるため、今後仕様が変更になる可能性があります。 （３）ソースは整形していないので、コメントアウトしてある個所が多数あり見づらいか 　　もしれませんがご容赦ください。 （４）ソースは５．のとおりNYSLライセンスに準拠して公開しますので使えそうだと思っ 　　た方は自由に利用してください。 ５．利用規約について 　本ソースは"NYSL Version 0.9982"に準拠し、以下のとおり公開いたします。 -------------------------------------------------------------------------------- A. 本ソフトウェアは Everyone'sWare です。このソフトを手にした一人一人が、 ご自分の作ったものを扱うのと同じように、自由に利用することが出来ます。 A-1. フリーウェアです。作者(LIUNQA)からは使用料等を要求しません。 A-2. 有料無料や媒体の如何を問わず、自由に転載・再配布できます。 A-3. いかなる種類の 改変・他プログラムでの利用を行っても構いません。 A-4. 変更したものや部分的に使用したものは、あなたのものになります。 公開する場合は、あなたの名前の下で行って下さい。 B. このソフトを利用することによって生じた損害等について、作者は 責任を負わないものとします。各自の責任においてご利用下さい。 C. 著作者人格権は LIUNQA に帰属します。著作権は放棄します。 D. 以上の３項は、ソース・実行バイナリの双方に適用されます。 -------------------------------------------------------------------------------- ※NYSLに関しては以下のURLを参照ください。 http://www.kmonos.net/nysl/ ６．おわりに 　最初に書いたとおりWM 6.5であれば、このソースを使用しなくとも慣性スクロールは実 現できるかもしれません。少し調べてみたのですがList-Viewではできるのですが、 List Boxesではできないようなので公開しておきます。少なくとも標準のList-Viewや List Boxesではループ上にスクロールすることはできないではないかと思います。 　ただ、実際には自分で作成できないかというのと、例2のようなUIを実現してみたくて 作成してみましたが何かの役に立てばと思います。 　作者はWin32に関して深い知識を持っているわけではないので、ソース中おかしな個所 があるかもしれませんがご容赦ください。 　本ソースはNYSLライセンスにて公開していますが、もし、このソースを利用された場合、 よろしければ一報いただけるとうれしく思います。 変更履歴 2009/12/16 ・リファレンス(関数仕様)を追加。 ・一部メッセージの見直し、エラー処理の強化など。 2009/11/24 　初版公開 −以上−